退職届と退職願の分かりやすい違い
「退職届」は、退職の事実を会社に通知する書類であり、決定事項を伝える性格が強いのに対し、「退職願」は、退職の意思を会社に伝え、承認を求める書類であり、依頼や申請の性格が強いです。
「退職届」は退職の意思が固く、退職日が確定している場合に使われるのに対し、「退職願」は退職の意思は伝えるものの、会社との話し合いの余地がある場合に使われることが多いです。また、「退職届」は書式が定型化されているのに対し、「退職願」は自由な形式で書かれることが一般的です。
退職届とは？
「退職届」は、退職の事実を会社に通知する書類であり、決定事項を伝える性格が強いです。退職の意思が固く、退職日が確定している場合に使われることが一般的です。
「退職願」と比べると、「退職届」は手続き的な色合いが濃く、定型の書式を重視する傾向があります。社内規定で書式が定められていることが多く、所定の項目を記入して提出することが求められます。
また、「退職届」は法的な効力を持つ書類でもあります。労働基準法では、労働者が退職する際は、少なくとも二週間前までに通知することが義務付けられています。「退職届」は、この通知義務を果たすための重要な手段だと言えます。
「退職届」を提出する際は、マネージャーや人事担当者と事前に面談を行い、退職の理由や引き継ぎ事項について説明することが望ましいとされています。円滑な業務の引き継ぎと、良好な関係性の維持に努めることが大切です。ただし、「退職届」を提出した後は、原則として撤回することはできません。十分な検討と準備の上で提出する必要があります。
このように、「退職届」は退職の事実を伝える公式な書類であり、手続き的な性格が強いと言えます。
退職届の例文
- (1) このたび、一身上の都合により、勝手ながら20〇〇年〇〇月〇〇日をもって退職いたします。
- (2) 私事ながら、○○年○○月○○日付をもちまして、一身上の都合により退職させていただくことになりました。 在職中は、皆様に格別の御配慮を賜り、心より御礼申し上げます。 今後は別の道を歩むことになりますが、この会社で学んだことを活かし、精一杯努力してまいります。 皆様のますますのご活躍とご健勝を心よりお祈り申し上げます。
退職届の会話例
- 今月末で退職することを決めたので、退職届を提出したいのですが。
- そうですか。寂しくなりますが、新しい道でのご活躍を祈っています。必要書類は人事から送付しますので、手続きを進めてください。
- ○さんから退職届が提出されていますが、把握されていましたか？
- はい、先日面談で伺いました。新しい職場でのチャレンジを応援したいと思います。引き継ぎ等、円滑に進めていきましょう。
- 退職届を出そうと思うのですが、何か注意点はありますか？
- 退職の意思が固いのであれば、規定の書式に必要事項を記入し、期日までに提出してください。事前に上司への報告と、業務の引き継ぎを計画的に行うことが大切ですね。
退職願とは？
「退職願」は、退職の意思を会社に伝え、承認を求める書類であり、依頼や申請の性格が強いです。退職の意思は伝えるものの、会社との話し合いの余地がある場合に使われることが多いです。
「退職届」と比べると、「退職願」は個人の意思表示としての色合いが濃く、自由な表現が尊重される傾向があります。定型の書式はなく、自分の言葉で退職の理由や心情を綴ることが一般的です。また、「退職願」は法的な拘束力を持つ書類ではありません。あくまでも、会社に対する依頼や申請の一種であり、会社側の承認があって初めて効力を持ちます。
「退職願」を提出する際は、上司や人事担当者と十分な話し合いを行うことが重要です。退職の理由や今後のキャリアプランについて、率直に意見を交換することが求められます。会社側も、従業員の意向を尊重し、前向きな議論を行うことが望ましいとされています。
「退職願」は、状況によっては撤回や修正が可能な場合もあります。会社との協議を経て、より良い解決策を見出すことができるかもしれません。
このように、「退職願」は退職の意思を伝える個人的な書類であり、会社との対話の出発点となる性格が強いと言えます。
退職願の例文
- (1) このたび、一身上の都合により、勝手ながら20〇〇年〇〇月〇〇日をもって退職いたしたくここにお願い申し上げます。
- (2) 私事ながら、家族の転勤のため○○年○○月○○日付をもって退職させていただきたく、ここにお願い申し上げます。 在職中は、皆様から数々のご指導ご鞭撻を賜り、厚く御礼申し上げます。 今後とも会社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。
退職願の会話例
- 実は、退職を考えているのですが、どのように伝えるのがいいでしょうか。
- 退職願を提出することをおすすめします。理由や心情を率直に述べ、会社との話し合いのきっかけにするのが良いでしょう。
- ○○さんから退職願が出されています。部長としてどう対応しますか？
- まずは本人の意向を十分に聞くことが大切ですね。退職に至った経緯や、今後のキャリアプランについて、じっくり話し合いたいと思います。
- 退職願を出したのですが、あまり前向きな反応がありません。
- 会社としても、優秀な人材を失うことは痛手ですからね。でも、あなたの意思を尊重し、前向きな対話を続けることが大切だと思います。粘り強く話し合いを重ねてみてください。
退職届と退職願の違いまとめ
「退職届」と「退職願」は、ともに退職の意思を会社に伝える書類ですが、その性格と用途には違いがあります。
「退職届」は、退職の事実を会社に通知する書類であり、決定事項を伝える性格が強いです。退職の意思が固く、退職日が確定している場合に使われ、手続き的な色合いが濃く、定型の書式を重視する傾向があります。法的な効力を持つ書類でもあり、提出後の撤回は原則としてできません。
一方、「退職願」は、退職の意思を会社に伝え、承認を求める書類であり、依頼や申請の性格が強いです。退職の意思は伝えるものの、会社との話し合いの余地がある場合に使われ、個人の意思表示としての色合いが濃く、自由な表現が尊重される傾向があります。法的な拘束力はなく、状況によっては撤回や修正が可能な場合もあります。
「退職届」が退職の事実を伝える公式な書類であるのに対し、「退職願」は退職の意思を伝える個人的な書類であると言えます。両者は退職の意思を伝えるという点で共通していますが、その性格と用途は異なります。状況に応じて適切な書類を選ぶことが大切です。
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