内定取り消しと内定辞退の分かりやすい違い
内定取り消しは、企業側の都合で内定を取り消すことです。一方、内定辞退は、学生側の都合で内定を断ることです。
内定取り消しは、企業の経営状況の悪化や採用計画の変更などが理由で起こります。これに対し、内定辞退は、学生が他社への就職を決めたり、進学を選択したりすることで発生します。
どちらも内定後に起こりうる事態ですが、主導権が企業か学生かという点で大きく異なります。
内定取り消しとは?
内定取り消しとは、企業が学生に出した内定を一方的に取り消すことです。内定辞退が学生側の意思で内定を断るのに対し、内定取り消しは企業側の都合で内定を無効にするという点で異なります。
内定取り消しの主な理由としては、企業の業績悪化や事業縮小、採用計画の変更などが挙げられます。また、学生の健康上の問題や経歴詐称が発覚した場合にも内定が取り消されることがあります。内定取り消しは学生にとって突然の出来事となるため、精神的ショックや就職活動のやり直しを強いられるなど、大きな負担となります。
企業は安易な内定取り消しを避け、やむを得ない場合でも十分な説明と補償を行うことが求められています。
内定取り消しの例文
- (1) 当社の業績悪化により、来期の新卒採用を見合わせることになりました。つきましては、あなたへの内定を取り消させていただきます。
- (2) 事業の縮小に伴い、当初予定していた部署での採用を中止せざるを得なくなりました。誠に申し訳ありませんが、内定を取り消しさせていただきます。
- (3) 提出していただいた健康診断書を確認したところ、当社の求める基準を満たしていないことが判明しました。よって、内定を取り消すことといたします。
- (4) 履歴書に記載された学歴に虚偽があることが発覚しました。当社としては、このような不誠実な対応は容認できませんので、内定を取り消します。
- (5) 今般の新型ウイルス感染症の影響で、当社の経営が大きく悪化しております。苦渋の決断ではありますが、内定者の採用を見送らせていただくことになりました。
- (6) 当社の人事異動により、あなたの配属予定部署が廃止されることになりました。代替となる部署もないため、内定の取り消しをせざるを得ません。申し訳ございません。
内定取り消しの会話例
- 内定取り消しの連絡を受けて驚いています。詳しい理由を教えていただけますでしょうか。
- 当社の業績が急激に悪化し、来期の新卒採用を見合わせざるを得なくなりました。皆様には多大なご迷惑をおかけしますが、ご理解いただけますと幸いです。
- 内定取り消しは納得がいきません。何か私に問題があったのでしょうか。
- いえ、あなたの能力や適性に問題があったわけではありません。当社の事業方針の変更に伴い、採用計画の大幅な見直しを行った結果、内定者数を減らさざるを得なくなったのです。
- 突然の内定取り消しで途方に暮れています。これから就活をやり直すのは難しいのではないでしょうか。
- このような事態になり、本当に申し訳ございません。就職活動の再開にあたっては、当社からの推薦状の発行や、他社への紹介など、可能な限りのサポートをさせていただく所存です。
内定辞退とは?
内定辞退とは、学生が企業から受けた内定を辞退することです。内定取り消しが企業側の一方的な決定であるのに対し、内定辞退は学生側の意思に基づいて行われるという点が大きな違いです。
内定辞退の理由としては、他社からより良い条件での内定を得たことや、進学や留学を選択したことなどが一般的です。また、企業研究や自己分析を深めた結果、自分には合わないと判断して辞退するケースもあります。内定辞退の際は、できるだけ早い段階で企業に連絡し、面談の場を設けて丁寧に説明することが望ましいとされています。
企業にとって内定辞退は採用活動の見直しを迫られる出来事ですが、学生の意思を尊重し、前向きに受け止める姿勢が求められます。
内定辞退の例文
- (1) この度は内定をいただき、誠にありがとうございました。しかし、慎重に検討した結果、今回は内定を辞退させていただきたいと思います。
- (2) 貴社の理念や事業内容には大変魅力を感じておりましたが、他社から自分のやりたい仕事により近い内定をいただきましたので、そちらを選ばせていただきたいと思います。
- (3) 内定をいただいたことは大変嬉しく思います。ただ、最近になって大学院への進学を決意しましたので、内定は辞退させていただきます。
- (4) 貴社の選考プロセスを通じて多くのことを学ばせていただきました。しかし、自己分析を深めた結果、自分の適性は別の業界にあると気づきました。申し訳ありませんが、内定を辞退いたします。
- (5) 家庭の事情により、地元での就職を希望することになりました。内定をいただいたこと、本当に感謝しておりますが、辞退させていただきたく存じます。
- (6) 海外での働き方に興味を持ち、留学を決意するに至りました。せっかくの内定を辞退することになり、申し訳ない気持ちでいっぱいですが、ご理解いただけますと幸いです。
内定辞退の会話例
- この度は内定をいただき、ありがとうございました。しかし、慎重に考えた結果、内定を辞退させていただきたいと思います。
- そうですか。もちろん学生さんの意思を尊重いたします。辞退の理由を聞かせていただけますか。
- 内定をいただき光栄に思います。ただ、他社から自分のやりたい仕事により近い内定をいただきましたので、そちらに進むことを決めました。申し訳ありません。
- 自分の進路に悩み、真剣に考えた結果なのですね。当社としては残念ですが、あなたの決意を応援したいと思います。
- 貴社の選考を通して、様々な気づきを得ることができました。しかし、自己分析を進めるうちに、自分の適性は別の分野にあるのではないかと思うようになりました。内定は辞退させていただきます。
- 率直なご意見をありがとうございます。適性を見極めることの大切さを私どもも学ばせていただきました。前向きにお考えいただき、感謝しております。
内定取り消しと内定辞退の違いまとめ
内定取り消しと内定辞退は、内定後に内定が無効になるという点で共通していますが、その主体と理由が大きく異なります。
内定取り消しは企業側の事情で一方的に行われるのに対し、内定辞退は学生側の意思に基づいて行われます。内定取り消しの主な理由は企業の経営悪化や採用計画の変更ですが、内定辞退は他社への就職や進学など学生のキャリア選択が理由となります。いずれも学生と企業双方にとって大きな影響を与える出来事ですが、内定取り消しは学生に深刻な不利益を与えかねないため、企業には慎重な判断と丁寧な対応が求められます。
内定辞退は学生の意思を尊重しつつ、企業も前向きに受け止める必要があるでしょう。
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